inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Dostoevsky 'Brothers of Karamazov'First volume 20

 「『兄さん! お父さんとドミトーリイ人兄さんとの間の、こんな恐ろしいことは、どういう形で終るんでしょうね?』アリョーシャは叫んだ。『的確に予想はできんがね。おそらく、どうってことはないだろう。なんとなく立ち消えになるさ。あの女は、けだものだよ。いずれにせよ、爺さんは家の中に閉じこめて、ドミートリイを家に入れないことだな』『兄さん、もう一つ質問していいですか。どんな人でも、ほかの連中を見て、そのうちのだれは生きてゆく資格があり、だれはもう資格がないなんて、権利を持ってるものでしょうか?』『何のために、資格の決定なんてことを持ちだすんだい? その問題はたいていの場合、資格なんぞという根拠じゃなく、もっと自然なほかの理由にもとづいて、人間の心の中で決められるんだよ。それから、権利という点だけれど、期待する権利を持たぬ人間なんているもんかね?』……『それなら、お前にきくがね。お前は、俺もドミトーリイと同じように、イソップ爺の血を流す、つまり、親父を殺すことのできる人間だと思っているのかい?』『なんてことを、兄さん! そんなこと一度だって考えたことありませんよ、それにドミートリイ兄さんだって、僕はそんな人とは……』……二人はそれまでかつてなかったほど、固く握手を交わした。アリョーシャは、兄が自分のほうから先に一歩あゆみよったのを感じ、それが何かのために、必ず何らかの意図をもってなされたにちがいないと感じた」(p361~363)
 アリョーシャとイワンの会話は謎に包まれ、これからのフョードル、ドミートリイ、イワンの複雑な関係の展開を予測するようだ。アリョーシャは親に対しても兄弟に対しても優しい見方をしている。