inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Dostoevsky 'Brothers of Karamazov'First volume 20

 「アリョーシャ、俺はお前の癲狂病みの母さんを一度も侮辱したことはなかったよ!いや、たった一度だけある。それも結婚したその年にな。……『よく見てろ、お前はこれを奇蹟の聖像と思いこんでるらしいが、俺が今お前の目の前でこいつに唾をひっかけてやる、それでも罰なんぞ当たりやせんから!』その時の彼女お目つきときたら、いや、今にも俺を殺すんじゃないかと思ったくらいさ。だけど彼女は跳ね起きて、両手を打ち合せたあと、いきなり両手で顔を覆って、全身ふるえはじめ、床に倒れるなり……そのまま気絶しちまったんだ……おい、アリョーシャ、アリョーシャ!どうした、どうしたんだ!』」「老人はぎょっとして跳ね起きた。彼が母親の話をはじめたその瞬間から、アリョーシャの顔つきが少しずつ変ってきていた。……ほかでもない、たった今老人が『癲狂病み』について話したのと同じことが、そっくり再現されたのである。……『イワン、イワン、早く水をやれ。あれと同じだ、彼女にそっくりだよ、あのときのこれの母親とそっくり同じだ……』彼はイワンにつぶやいた。『しかし、僕の母親も、これの母親と同じだと思いますがね、どうですか?』ふいに、憤りにみちた軽蔑を抑えきれずに、イワンが食ってかかった。老人はきらりと光った相手の眼差しにぎくりとした。……まさにその瞬間、突然、玄関で恐ろしい騒めきと物音がきこえ、気違いじみたどなり声がしたと思うや、ドアが勢いよく開き、ドミートリイが広間にとびこんできた。老人はぎょっとしてイワンの方にとびのいた。『殺される、殺される!止めてくれ、俺を見殺しにしないでくれ!』イワンのフロックの裾にしがみついて、老人はわめいた」(p338~340)
 すごい展開になってきた。フョードルと3人の息子はどうなっていくのか。それにしてもフョードルは自分の妻の大切は聖像に唾を吐くとは?