Dostoevsky 'Brothers of Karamazov'First volume 9
「ドミートリイは、中背で、感じのよい顔だちをした28歳の青年だったが、年よりもずっと老けてみえた。筋骨たくましく、並みはずれた体力の持主であることが察しとれたが、にもかかわらず顔には何か病的なものがあらわれていた」(p161)、「ドミートリイはうやうやしく長老の手に接吻し、ほとんど苛立ちに近いほどの異常な興奮を示して言った。『こんなにお待たせしてしまった、ほんとうに申し分けございません……』」(p163)、「ドミートリイは恐ろしい剣幕で眉をひそめ、口では表せぬ軽蔑をこめて父をにらみつけた。『僕は……僕は』低い抑えた声で彼は言った。『心の天使であるいいなずけ(カテリーナ)といっしょに故郷に帰って、父の老後を慰めようと思っていたのに、見れば父は淫蕩な狒々爺で、下劣きわまる道化役者にすぎなかったんです!』『決闘だ!』老人は息をあえがせ、一言ごとに唾をとばしながら、またわめきたてた」(p177)「しかし、醜態にまで達したこの騒ぎは、この上なく意外な幕切れで終った。……長老はドミートリイの方に歩きだし、すぐそばまで行きつ九なり、その前にひざまずいた。……長老はドミートリイの足もとにはっきりした、意識的な跪背をし、額を地面に触れさてした。……『赦しておあげなさい! すべてを赦すことです!』客たちに対して四方におじぎをしながら彼は言った」(p179)
長老は、たぶんこのままにしてお入れはドミートリイが父を殺しかねないと察したのかもしれない。その後、どう展開していくのだろうか。
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