inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Heikemonogatari 2 Kogo

Heikemonogatari 2 Kogo小督
 主上(高倉天皇)恋慕の御思ひにしづませおはします。申なぐさめまゐらせんとて、中宮の御かたより、小督殿と申女房をまゐらせらる。此女房は、桜町の中納言重教の卿の御むすめ、宮中一の美人、琴の上手にておはしける。冷泉大納言高房卿いまだ少将なりし時、みそめたりし女房也。……遂になびきたまひけり。され共今は君に召されまゐらせてせんかたもなく、かなッしさに、あかぬ別の涙には袖しほたれてhそあへず。……入道相国、これを聞き、中宮と申も御むすめ也。冷泉少将聟をとられて、「いやいや、小督があらんかぎりは世中よかるまじ。召し出してうしなはん」とぞのたまひける。小督殿もれ聞いて、「我身の事はいかでもありなん。君の御ため御心ぐるし」とて、ある暮がたに内裏を出て、ゆくへも知らず失せたまひぬ。(p262~266)
 弾正少弼仲国は主上に小督を探すよう命じられ、琴の音を頼りに遂に小督を見つけ出す。しかし、入道相国の耳に入り、心ならずも尼にされ、嵯峨の辺りに住んでいたが、遂に亡くなってしまった、という悲恋の物語である。


2016/06/09 に公開
「小督」(こごう)あらすじ
高倉帝の寵愛を受けた小督の局は、中宮の父、平 清盛を恐れて嵯峨野に身を隠す。悲嘆にくれる帝は、仲国(なかくに)に小督を探せとの宣旨を下す。中秋の名月の晩、きっと小督は琴を弾くであろうと思い定めた仲国は、馬で嵯峨野に出かけ、想天恋の琴の音が響く片折り戸の粗末な家を訪ねる。果たして迎え入れた小督に帝の手紙を渡す。小督は帝に感謝の意を捧げ名残の酒宴を催す。仲国は舞(男舞)を舞い都へと戻ってゆくのであった。


シテの仲国は源 仲国と言われてきたが、近年、高階仲国との指摘もされている。そうであるとすると、生年未詳ながら四十歳未満の時に小督を探し出した事となり、片面の演者には若い貴公子の凛々しさと華やかさが求められよう。
なお、小督は宮中一の美人で琴の名手と「平家物語」に記す。
謡:安久都和夫、朗読:青木ひろこ、横笛:狩野嘉宏、箏:和久文子、脚色:館 小登里