"Wisdom of the Lotus Sutra" Volume2 The story of a prodigal son
名誉会長 興味深いことに、ドストエフスキーは、死の当日、奥さんに聖書を開かせ、子どもに「放蕩息子の話」を読んで聞かせるように頼んだという。
遠藤 「放蕩息子の話」とは、父から離れた息子が、遠くで生活するうちにおちぶれ、再び父のもとに帰ってくるという物語ですね。
須田 法華経の「長者窮子の譬え」(信解品)に似ていることから、この物語が、法華経の影響を受けているとみる学者もいます。
名誉会長 ドストエフスキーは、信仰によって、精神の「放浪」をやめたいと願った。同時に他の「放浪者」たちを連れ戻したかった。信仰が息づく「民衆」の大地に帰らせたかった。「放浪者」は「長者窮子の譬え」の「窮子」にも通じる。「衣裏珠の譬え」の「貧人」にも通じるだろう。ある意味で、今、人類全体が「放蕩息子」であり、「貧人」なのではないだろうか。
その、さ迷える人類に向かって、「ここに、帰るべき生命の大地がありますよ」「放浪をやめるカギは、あなたの胸中にあるのですよ」と呼びかけるのが、私どもの人生なのです。その行動にのみ生命の「貧人」でなくなる真の道がある。
日蓮大聖人は、迫害の嵐の中で「当世・日本国に第一に富める者は日蓮なるべり命は法華経にたてまつり名をば後代に留べし」(御書223㌻)と宣言なされた。(p221~232)
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