Heikemonogatari 4 Shigehira is cut
Shigehira is cut重衡被斬
本三位中将重衡卿は、狩野介宗茂にあづけられて、去年より伊豆国におはしけるを、南都の大衆、頻に申ければ、「さらばわたせ」とて、源三位入道頼政の孫、伊豆蔵人大夫頼兼に仰て、遂に奈良へぞつかはしける。……北方大納言佐殿、「かうべをこそはねれたりとも、むくろをばとりよせて孝養せん」とて、輿を無かへにつか蓮。……北方もさまをかへ、かの後世菩提をとぶらはれけること哀れなれ。(p272~284)
平重衡(たいら の しげひら)は、平安時代末期の平家の武将・公卿。平清盛の五男。母は清盛の継室・平時子。三位中将と称された。
平氏の大将の一人として各地で戦い、南都焼討を行って東大寺大仏や興福寺を焼亡させた。墨俣川の戦いや水島の戦いで勝利して活躍するが、一ノ谷の戦いで捕虜になり鎌倉へ護送された。平氏滅亡後、南都衆徒の要求で引き渡され、木津川畔で斬首された。
その将才は「武勇の器量に堪ふる」(『玉葉』治承5年閏2月15日条)と評される一方、その容姿は牡丹の花に例えられたという。
平家は戦に負けた。負けるとは悲惨なことだ。だが、仏教によってかろうじて来世を信じることで、自分の苦難を救おうとしていた心が見える。
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