『世界はなぜ過激化するのか？」という本がある。著者はファラッド・コスロカヴァールである。著者はフランスの受刑者の80％を占めているイスラム教徒の調査もしている。彼らは帰属意識など全くない。フランスを憎んでいる。彼らはフランスの植民地のアルジェリアなどの移民の子である。常に差別され続けてきた記憶しかない。心の奥底にはフランスという国家に対する屈辱感と憎しみしかない。受刑者の感情は憎しみが占めている。その憎しみはインターネット、ウェブによって拡散している。過激化も変化し、行動を実行するのは少人数、個人となっている。この苦しみを変えるのは容易ではない。生命尊顔の思想が彼らを温かく包むしかない。（参照　公明新聞　評論家・宇波彰）