inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Sinheikemonogatari 2 Jihigenka

Jihigenka慈悲喧嘩
 その夜おそく、頼盛は、洛北のわが屋敷へ打ちしおれて、騎馬で帰ってきた。禅尼は、寝もやらず、その返事を、待っていた。「だめでした。とても、受けつけもなさりません。……それに、六波羅殿の不きげんなこと、何が、日ごろの胸におつかえなのかと、怪しまれるほどな御雑言なのです」「この尼のことをか」「いえ。わたくしへも、当り散らすのです。なんとなく」……「頼朝の助命は、どうしても、きき入れてくれそうもないか」「もうおよしなさい。妙に、疑られても、つまりません。六波羅殿を、怒らすだけのものですから」二月十三日、あと幾日もない。その日には、いやおうなく、ここをひき出して、打ち首にしなければならないことを、宗清はまだ、頼朝に、聞かせていなかった。(p92)
 頼朝は絶体絶命の危機を迎えていた。