inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Sinheikemonogatari 2 The emperor and Asadori

The emperor and Asadori陛下と麻鳥
 ”新院御むほん”のことは、かれも早くに知っていた。御所の留守居も、町の者も、疾くに、争って避難してしまったが、麻鳥だけは、水守小屋をさらなかった。――といってお、宮廷や権臣間の、内情などは、もとよりうかがい知るところのかれではないが、新院のお立場や行く末を案じるとき、かれは、悲しまずにいられなかった。――あの、おやさしい陛下、お人のよい陛下、下の者にもわけ隔てなく慈愛にみちておられる陛下が、どうして、戦争の主謀者などにおなりになったのか。――麻鳥は、地だんだ踏んで、陛下のために、悔むのだった。(p112)
 人間はどうして殺し合いをするのだろう。権力者が愚かだからだ。それにしても麻鳥の無心の行為に胸打たれる。