inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Sinheikemonogatari 1 Willow water,Nyoho anya

Willow water柳の水、Nyoho anya如法闇夜
 ここおよそ十四年ほどの間、世人の記憶から、まったく、忘れられているお人があった。新院、崇徳上皇の、存在である。お心にもない退位を強いられて、三条日洞院の柳ノ水の御所に、ひそと、世捨て人のような御生活に入って以来、いつとはなく、殿上も世間も、絶えて、この君については、時局とむすび合わせて、考えてみたこともない。……新院のお心を、あやしく昂ぶらせ奉って帰る者ばかりである。中に、悪左府の頼長もあった。……(愛宕天狗の両眼に、釘を打ち、先帝を、呪詛し奉った者……)という烙印を捺されたこの父子。……自身の逆境を、新院の御不平に託し、新院のお心の火へ、油をそそぐような作用をなした。時です。時です、とかれが口ぐせのようにいっていたその時が、不幸にも、それから一年もたたないうちに巡ってきた。……父が死ぬ――子が、駆けつけて来たのだ。……「御対面は、かないません」惟方は、両手をひろげた。……この空気に、左京大夫教長は、いよいよ、これは大事到来と、気がついた。そこで、兄の徳大寺内大臣実能の館を訪い、「どうも、新院の御謀反は、真実らしゅうございます。大変なことになったものです。どうしたものでしょう」と相談した。……にわかに、御幸ぶれが出た。お行き先は、白河の斎宮ということである。……教長は、重ねて、ことばも出なかった。のみならず、かれも御車に供奉を命ぜられてしまった。……如法闇夜をさまようような思いであった。(p405~439)
 さて、その後の展開はどうなるのか。