Sinheikemonogatari 1 Beautiful family
Beautiful family美しい家族
清盛は、毎日、退屈にたえなかった。罪によって、贖銅を科せられ、院の出仕を、一年停止されたのだ。閉門の身なのである。……時忠の快活な性格は、清盛の幽居を、明るくしていた。……「御注文の、おん鎧のことで、参じまいてござりますが」……押麻呂作りの鎧といえば、武者仲間では、珍重物だった。……生き皮を、鎧の利き所に使うのが、かれの特技とかで、……二枚の狐の皮を、押麻呂の指定する日に、届けることが、条件となっていた。……「あ、親子だ」道理で、逃げきれずに、踏みとどまったはず。子連れ狐であったのだ。……「おやじ。おやじ。生き皮などを使うのは、もう病めた。……」(p315~327)
狐の家族の愛情を目の前にして、動物の生き皮を鎧に使うのを清盛はやめた。
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