Heikemonogatari 3 A wish statement
A wish statement願書
木曽の給ひけるは、「平家は定大勢なれば、砺浪山打越てひろみへ出て、かけあひのいくさにてこそあらんずらむ。但かけあひのいくさは、勢の多少による事也。大勢かさにかけてはあしかりなむ。まず旗さしを先だてて、白旗をさしあげたらば、……」……木曽殿、国の案内者を召して、「あれは、いづれの宮と申ぞ。いかなる神を崇奉ぞ」。……「……願書を一筆かいてまゐらせばやと思ふはいかに」。……木曽殿、か様の先蹤(せんしょう)忘れ給はず、馬よりおり、甲を脱ぎ、手水うがひをして、今霊鳩を拝し給ひけん、心のうちこそたのもしけれ。(p26~35)
義仲は大群同士が激突し多くの犠牲を払う愚を畏れ、神に願書を奉り、慎重に事を進めていった。
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