inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Heikemonogatari 2 Bungaku aragyo

Bungaku aragyo文学荒行
 抑かの頼朝と申は、去る平治元年十二月、父佐馬頭義朝が謀反によッて、歳十四歳と申し永暦元年三月廿日、伊豆国蛭島へ流されて、廿余年の春秋をおくりむかふ。……高尾の文覚上人の申すゝめられたりけるとかや。……彼文覚と申は、もとは渡辺の遠藤左近将監茂遠が子、……十九の歳道心おこし出家して、修行に出でんとしけるが、「修行といふは、いかほどの大事やらん、ためいてみん」とて、……かくて三七の大願つひにとげければ、那智に千日こもり、……日本国残る所なく、おこなひまはッて、さすが尚ふる里や恋しかりけん、宮こへのぼりたりければ、凡そとぶ鳥も祈落すやいばの験者とぞ聞えし。(p178~184)


 那智原始林内には多くの滝があるが、このうち48の滝に番号と神道を中心に、儒教、仏教、道教、陰陽五行説などの諸宗教にもとづく名が与えられていた。これらの滝では、青岸渡寺開祖と伝えられる裸形上人をはじめとする宗教者たちのほか、花山法皇も二の滝の断崖上に庵を設けて、千日滝篭行をしたと伝えられている。しかし、明治期の神仏分離令・修験道廃止令によって、これらの行を支えた神仏習合的な信仰が失われるとともに、明治初期からは所在や名称も不明となっていた。
 那智ごもりは大変な荒行だったようだ。