inu-daisukiのブログ

 犬好きです。いろんなことに挑戦しています。英語、中国語、フランス語、韓国語、カラオケ、健康体操、野鳥観察、文学、哲学書・宗教書を読む、認知症サポーター、地域コミュニティーの在り方、図書館の在り方、老人会(寿会)の在り方探索、国際交流、短歌、俳句、川柳、各紙への投稿等々……。しかし、どれも中途半端なので、最近は、とりあえず英語が流暢に話せるようになるため、多くの時間をかけています。

Dostoevsky 'Brothers of Karamazov'First volume 21

inu-daisuki

 「広小路にきわめて広壮な、快適な家を借りているカテリーナのところへアリョーシャが向ったときは、すでに7時で、暗くなりかけていた。……アリョーシャは玄関に入り、ドアを開けてくれた小間使に取次ぎを頼んだとき、広間ではもう彼の来訪を知っていたようだったが、(たぶん、窓からでも見かけたのだろう)、アリョーシャはふいに何か騒がしい気配を耳にし、女性の走る足音や、衣ずれの音がきこえただけだった。どうやら2,3人の女性が部屋から走りでていったらしかった。……アリョーシャは客とかち合ったことの思いあたり、眉をひそめた。……『兄の使いで来たんです……』『まあ、お兄さまのお使いですって。あたくしもそんな予感がしてましたのよ。……それじゃ、どんな用事でお兄さまがあなたをここへよこしたのか(あなたをお使いによこすってことは、ちゃんとわかっていましたわ!)簡単に、ごくかいつまんで話してくださいませな!
』『あにはあなたに……よろしく、もう二度と伺わないから……よろしくということでした』……その言葉を強調なさったことは、単なる空元気を意味しているのかもしれませんわね……『そうです、そうですとも!』アリョーシャは熱っぽく相槌を打った。……『だとすると、あの人はまだだめになってはいませんわ! ただ自暴自棄になっているだけで、またあたくしが救ってあげられます……お兄さまはあたくしがいちばん信頼できる友達だってことを、信じようとなさらない、あたくしという人間を知ろうとなさらず、あたくしを一人の女としてしか見ていないんです。……あたくし、お兄さまを永遠に救ってあげたいのです』……最後の言葉を、彼女は涙とともに語った。涙が目からこぼれ落ちた」(p355~363)
 ドミトーリイを心から心配し愛していたのはカテリーナかもしれない。しかし、ドミトーリイの魂はグルーシェニカに向かっている。